一般社団法人 ヒューマンライツふくおか

生きた証を繋ぐ

1953(昭和28)年に、一人の看護師の呼びかけで始まった絵画クラブ「金陽会」には
850点以上を超える絵画が残されています。生きてきた証となる作品群の詳細を調べ保存を進めます。

一人の看護師の呼びかけで始まった絵画クラブ金陽会は、
絵を描くことが好きな人たちが集まり1953(昭和28)年に発足しています。
メンバーは20名を超えた時期もあり、名前の由来は金曜日に活動していたことと
明るい太陽をイメージし曜を陽としました。
発足当時は絵の具が無くて墨で描いたこともあったとも聞いています。
お金を貯めて画材や画集を買い求め独学で絵を学び、描き続けてきました。
絵画の調査(2016年3月〜)をすると自家製(木製)の額縁が数点ありました。
洗濯バサミを利用して額の後ろの留め金の代わりにするなど
様々な工夫が見られ絵を描くことに注がれた熱い想いが伝わります。
現在のアトリエ(恵楓園文化会館内)は1994(平成22)年から使用していますが、
制作はアトリエ以外の場所でも行われ、園内の廃校になった小学校跡地を利用して
絵を描いたりしていた時期もあるそうです。
また、以前は月に一度、仲間が集まりそれぞれの絵の感想を述べ合う勉強会も行われていました。
今では多くの仲間がこの世を去り、また高齢で目が弱くなり絵筆を握ることができなくなりました。

1953(昭28)年:発足
1980(昭55)年:園外で初めての展覧会を開催(4/12~17 熊日画廊) 入場者1,000人を超える
1984(昭59)年:第3回熊日画廊グループ展
1999(平11)年:吉山安彦初個展開催(4月開催(6日間)熊本県立美術館分館) 入場者1,300人を数える
2003(平15)年:「光の絵画vol.1」(7/30~8/31 熊本市現代美術館ギャラリーⅢ) 入場者8,051人 
2005(平17)年:「光の絵画vol.2」(9/6~10/2 熊本市現代美術館ギャラリーⅢ) 入場者2,300人
         絵画クラブメンバー 森繁美さん逝去(享年75)
2007(平19)年:「ATTITUDE2007 人間の家-真に歓喜に値するもの」
         (7/21~10/14 熊本市現代美術館ギャラリーⅠ、Ⅱ) 入場者8,905人
2008(平20)年:絵画クラブメンバー 奥井喜美直さん逝去(享年75)
2010(平22)年:「光の絵画vol.3」(12/11~2/13 熊本市現代美術館ギャラリーⅡ) 入場者数5,851人
2011(平23)年:絵画クラブメンバー 入江章子さん逝去(享年89)
2014(平26)年:絵画クラブメンバー 木下今朝義さん(享年99)、中原繁敏さん逝去(享年85)
2015(平27)年:「ここから 吉山安彦展」(5/13~7/12 熊本市現代美術館ギャラリーⅢ) 入場者数9,564人
         絵画クラブメンバー 大山清長さん逝去(享年92)
2016(平28)年:「いのちのあかし展」(12/7~2017年1/29 しんらん交流会館) 入場者数2,000人